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Bottomlessクラウドへの準備はお済みですか?

Bottomlessクラウドへの準備はお済みですか?

こちらのブログは2019年にWasabi Technologies CEO David Friendによって寄稿された抄訳です。
「The Bottomless Cloud」の書籍は2018年に発行されました。

David Friend
By David Friend
President, CEO & Co-founder

2023年7月12日

ちょっと想像してみてください。あなたは1958年にタイムリープしました。世界には片手ほどの台数のコンピューターしかなく、ユーザー数はたぶん数千人程度です。しかもそれらのコンピューターは、キラキラ光る真空管や、昔の超大型電話交換機のように絡み合った配線で構成され、ひと部屋全部を占領する巨大なものです。もし私が、1958年のあなたに、2020年までに100億台以上のコンピューターが誕生し、地球上のすべての人に1台以上、つまり、驚くなかれ、70億台以上のコンピューターがみんなのポケットやバッグに収まることになると話しをしたら?
あなたはそれにどう答えるでしょうか。それとも、私のばかげた未来予想図に抱腹絶倒するでしょうか。
しかし、私たちはいま、まさに、その世界にいます!


では、次の70年はいったいどうなるのでしょうか?『The Bottomless Cloud』という書籍の中で、共著者のTom Koulopoulosと私は、私たちが過去70年間と同じ今の軌道をたどり続けたとしたら、世界中の砂浜にある砂粒の100倍もの数のコンピューター機器が存在することになると示唆しています。とんでもないことですよね?しかし、1958年に現在の状況を予測するよりも大げさではないと断言いたします。コンピューティングチップはあらゆるものに埋め込まれています。サーモスタット、自動車、カメラ、家電など、うちの冷蔵庫にもいくつかのマイクロプロセッサーが入っています。データを生成するデバイスが私の家の中にいくつあるか数えたことはありませんが、数十は下らないでしょう。


スマートデバイス、自律走行車、モバイルネットワーク、オートメーションについて議論される中で、これらすべてのデータをどこに保存するかという点についてはあまり議論されてきませんでした。魅力的な部分は、データの生成にあります。それと同じくらいワクワクし刺激的なのは、AIやデータ分析がもたらすチャンスです。しかし、それほど魅力的ではありませんが、根本的に重要なのは、データのストレージ、特にストレージのコストとデータを取り込むスピードです。
今後、技術が大きな進歩を見せるときには、必ずと言っていいほど、データの生成、保存、分析がそのための革新のコアになります。顔認識から予知保全、広告に至るまで、AIと機械学習の可能性は私たちの生活を一変させつつあります。しかし、膨大な量のデータをこれまでになく低コストで保存する能力がなければ、これらすべてが依拠する基盤は成り立ちません。


クラウドストレージの第一世代、いわゆる「Cloud 1.0」は、爆発的に増加する容量需要に対応するには速度が遅すぎ、コストも高すぎます。あまりにも遅すぎです。Amazon S3などの製品が設計された14年前、データ生産率は現在の数分の1でした。著書で指摘したように、完全自律走行車に関連するデータストレージのコストは、現在のストレージのコストをベースに考えると、自動車自体のコストの10倍以上にもなりかねません。


これは、私たちがいまだに、クラウドが無限のデータという未来にもたらすチャンスを、希少性の経済学の上に成り立つ産業革命時代のレンズを通して見ているためであり、水車を使って現代の工場の動力と張り合おうとしているのと同じことです。たとえば、少し前まで、私のEmailが100MB以上のストレージを消費するたびにCIOに怒鳴られるなんていうことがありました。これは、データのストレージは最小限に抑えるべきものだと見なす「希少性」(需要に対して供給量が少ない状態)の典型です。すべてを保存し、すべてが永遠に存在することを知った上で価値を引き出す方にフォーカスを当てるという、発想の転換が必要です。データストレージは新しい電気となり、安価で豊富な資源としてあらゆるものにパワーを供給するようになります。私たちはこれを「Bottomlessクラウド」と呼んでいます。


電力とユーティリティ設備の進化により、企業が動力の確保や管理ではなく最も得意なことに集中できるようになり、これが工業化の成長と20世紀の驚くべきイノベーションの燃料になったのと同様に、Bottomlessクラウドはデータストレージを手に入りやすい純粋なユーティリティにします。 安価で、シンプルで、信頼性が高く、使いやすいものに。ストレージ階層の複雑さ、なにかの罰みたいなデータの下転送料の課金、こまごまとした追加料金は、すべてクラウド1.0のストレージに典型的なものですが、はるかにシンプルで安価なクラウド2.0モデルに道を譲ることになります。


産業革命時代のビジネスモデルが、データを全く新しい価値を築き上げるために採掘できるほぼ無限の資源としてではなく、制約する必要のあるコストと見なすものであるために、いかに私たちは役に立っていないかを再認識することで、ボトムレスクラウドは希少性重視の考え方に挑戦します。UberからNike、Netflixまで、Bottomlessクラウドは、データの見方を変えることで、21世紀の成功の原理原則を明確にしつつあります。データは、ビジネスの副産物から、新しいビジネスを推進する価値の源泉へと移行しつつあります。


私は、長年の同僚であるTom Koulopoulosと共同で『The Bottomless Could』を執筆しました。クラウドの驚くべきパワーとデータの豊かな世界について明確でわかりやすい理解、つまり、明日のエンタープライズを築く上でのデータの価値と役割についての全く新しい考え方を、ビジネスリーダーの皆様にご提供できることに、非常な喜びを感じております。
Bottomlessクラウドは、データの豊さが私たちの生活、仕事、遊びのほぼすべての側面を変えるという、説得力のある未来像を示しています。


弊社CEOで創業者のDavid FriendとTom Koulopoulosが執筆した『The Bottomless Could』の本にご興味ございましたらプレゼントします。ご興味ございましたら[email protected]までご連絡ください。

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