Wasabiによる調査で、日本企業のクラウドストレージ予算の増加傾向と AI・機械学習の導入状況、ストレージ利用の満足度への課題が明らかに

「2024年Global Cloud Storage Index」で、日本とグローバルのギャップが判明

2024年3月5日
  • 日本企業は、ストレージ費用の50%が「容量以外の費用」であり、55%が予算を超過しているにもかかわらず、クラウドへの大規模な投資を計画
  • 日本企業にとって、AI・機械学習(ML)導入の主な促進要因は生成AIだが、「予測不能なストレージ運用費用」が最大の懸念



Hot Cloud Storageを提供するWasabi Technologies(本社:米国マサチューセッツ州ボストン、日本法人:Wasabi Technologies Japan合同会社(東京都港区)、以下 Wasabi)は、世界のクラウドストレージ利用に関する調査「2024年Global Cloud Storage Index」を発表しました。本調査からは、日本企業がインフラの移行やクラウドの近代化の推進、ならびにデータセキュリティとリカバリの新たな要件への対応のために、パブリッククラウドに保存するデータ量とパブリッククラウドストレージへの投資を増やし続けていることがわかります。回答者のうち「2024年にパブリッククラウドに保存するデータ量が増加する」と予測している日本企業は94%で(グローバル:93%)、2023年の調査での回答(84%)を大幅に上回りました。

本調査によると、クラウドストレージの利用量と予算の増加、AI・MLソリューションとサービスの採用の予測に関して、日本はグローバルにおける傾向とおおむね一致していますが、いくつかの点では大きな違いも見られました。

<日本企業のストレージ利用費用は、半分が「容量以外にかかる費用」でグローバルと比較して不利な費用構成だが、今後もクラウドストレージへの継続的な投資を計画>

インフラ移行や開発などのITイニシアチブの合理化、デジタルトランスフォーメーションの推進、バックアップやリカバリ、セキュリティ要件の厳格化のために、日本企業の回答者の94%が「2024年にパブリッククラウドに保存するデータ量を増やす」(グローバル平均93%)、93 %が「クラウドストレージ予算を増加予定」(グローバル平均90%)とそれぞれ回答しており、いずれもグローバル平均より若干高い割合となっています。

しかし費用を見ると、クラウドストレージサービスの利用料金の半分(50%)は、「ストレージ容量」ではなく、ストレージ内のデータの運用や検索、転送、分析などの「データ運用料金」にかかっていることが分かりました。これは、昨年調査時(51%)よりは1ポイント下がっているものの、グローバル平均(47%)、APAC全体(48%)と比べて高い割合となっており、日本企業の55%が「クラウドストレージへの支出予算が超過している」と回答している理由の1つに「データ運用料金」が影響していると推測されます。クラウドストレージの予算を超えた理由に関しては、日本の回答者は「APIコール料金の高さ」(55%)を理由のトップに挙げています。

Wasabiの戦略・市場情報担当シニアマネージャー(元IDCアナリスト)のアンドリュー スミスは、次のように述べています。
「アジア太平洋地域の回答者の44%は、組織のITサービス導入戦略を『クラウドファースト』と考えており、これらの結果から、自社所有やオンプレミスのインフラよりも、クラウドサービスの導入を優先し続けることが示唆されています」

<日本では、AI・ML導入の主な促進要因は生成AIだが、予測不可能なストレージ費用パターンが懸念材料>

グローバル全体およびAPACでは99%が、「2024年にAI・MLソリューションおよびサービスの導入を計画している」または「すでに導入している」と回答しました。APAC全体では、AI・MLの導入促進にあたっての最優先事項は、「業務の改善と効率化」「製品のイノベーションと開発の加速」となりました。AI・MLについて聞いたところ、日本の企業で「導入を予定している」または「現在導入している」主要なものとして、「生成AI」が第1位(51%)となりました。AI・MLの導入を促進する際の最優先事項について尋ねたところ、日本の回答者は、「既存製品やサービスのイノベーションと開発サイクルの加速」および「顧客向け製品/サービスの改善」を挙げました。

グローバルでは、回答者の49%が「AI・MLワークロードの導入により、より幅広いロケーション(エッジ、コア、クラウドなど)でのデータ保管に新たな課題が生じる」と回答していますが、日本では「予測不能なストレージ料金(下り転送料、API利用料金など)」が主要な懸念事項としてランクインしました。さらに、世界の回答者の90%が「クラウドオブジェクトストレージに満足している」と回答したのに対し、日本の顧客満足度は80%と大幅に低く、日本企業はクラウドストレージサービスを利用する際に、予測不可能なストレージ費用に不満を抱いている可能性が示唆されました。

Wasabi Technologies Japan 取締役社長の脇本亜紀は、次のように述べています。
「今回の調査では、日本でもAI/MLの導入が企業の最優先課題としてあげられました。AI/MLのアプリケーション実行に必要となる大量のデータの格納は、今後大きな課題となるはずです。格納したデータの利用に課金しないWasabiのストレージには大きなアドバンテージがあり、この点をマーケットに訴えていきたいと考えています。」

「2024年Global Cloud Storage Index」の調査結果の詳細は、こちらからご覧ください。

<調査方法>

Wasabiは、独立系の市場調査会社であるVanson Bourne社に、クラウドストレージに関する本グローバル調査を委託しました。調査では、企業でパブリック クラウド ストレージの導入に、何らかの関与や責任を負っているIT関係の意思決定者を対象に、グローバルで計1,200名に調査しました。調査は、2023年11月~12月、公共機関や民間企業を問わず、従業員数が100人以上の企業を対象としました。調査は目的に沿って、適切な回答者を対象とするよう、厳格なスクリーニング プロセスを経て行われました。

Wasabiについて

Wasabiは、シンプルで低価格なHot Cloud Storageを世界中の企業に提供しています。複雑な階層や下り転送料金、API料金を必要とせず、無制限にデータを保存し即座にアクセスすることができます。世界中の顧客から信頼されているWasabiは、テクノロジー業界で最も急成長している先見性のある企業の1つであると評価されています。Carboniteの共同設立者であり、クラウドストレージのパイオニアであるDavid FriendとJeff Flowersによって設立されたWasabiは、ボストンを拠点とする非上場企業です。WasabiはBoston Red SoxのProud Partnerであり、リバプール Football ClubとBoston Bruinsの「オフィシャル クラウド ストレージ パートナー」でもあります。Wasabiに関する日本語サイトは、こちら
Wasabiの最新情報は、SNS(Facebook)や、ブログThe Bucket(日本語)でも紹介しています。



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