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高等教育のクラウドストレージデータが本当に示していること:2026年版 Wasabi Global Cloud Storage Index
高等教育のIT部門は、限られたリソースで多くをこなすことに慣れています。こうしたチームは大きな野心と複雑なインフラを抱え、その予算は委員会の場で一行ずつ精査され、守られます。この現実の中で、クラウドストレージはどのような役割を果たすのでしょうか。
4年連続となる今回、独立系アナリストが、教育分野の241人を含む世界1,700人のIT意思決定者を調査し、2026年版 Wasabi Global Cloud Storage Index を作成しました。当社は先ごろ、高等教育の数値に焦点を当てたレポート(英語)を公開しました。そこには、読み解く価値のある物語があります。すなわち、根強く続く料金の圧力、AIによって喫緊の課題となったダークデータの問題、そして脅威の実態に追いついていないセキュリティ体制です。
料金の問題はなくならない
Cloud Storage Index によれば、教育分野のクラウドストレージ支出の半分超(54%)が、ストレージ容量ではなく各種料金に充てられています。世界平均は50%であり、高等教育はすでにその基準を上回っています。しかしさらに示唆的なのは、前年比の推移です。2025年は50%、2024年は49%でした。この傾向は一貫しているだけでなく、実際に時とともに悪化しており、クラウド予算のますます多くが料金に食いつぶされています。
高等教育の予算は、そのような継続的な流出を想定して組まれてはいません。予算は年単位で設定され、委員会で守られるもので、下り転送料、APIリクエスト、取り出し料金といった形で頻繁に価値を吸い上げる課金モデルを吸収できるようには設計されていません。教育分野の回答者の半数近く(41%)が昨年クラウドストレージの予算を超過したと答え、そのうち89%が少なくとも一因として料金を挙げています。その予算超過分はどこかから捻出しなければならず、その影響は急速に外へと波及します。ストレージ料金のせいで、先送りされるプロジェクト、今回の予算サイクルで資金がつかない研究の取り組み、あるいは始まる前に縮小されるAIプログラムが生じるのです。
AIストレージには独自の料金の力学があり、高等教育はそれも実感しています。教育分野の回答者の39%が、AI関連ストレージに特有の最大の課題として、高額または予測できないコストを挙げました。
ダークデータが重要になった、新たな理由
クラウドストレージの歴史の大半において、ダークデータ ― ストレージ内でほとんど手つかずのまま眠っている、非構造化で未分析のデータ ― は、戦略的な関心事というより監査上の脚注のような存在でした。多くの機関はその存在を認識していましたが、それに対して何かをする差し迫った理由はありませんでした。
AIがそれを変えました。教育分野の回答者の過半数が、保存容量の25〜74%がダークデータだと見積もっています。各機関は、数十年分の研究成果、学術アーカイブ、実験データセット、学生記録、機関のファイルを抱えており、これらは最近誰も見ていないものの、誰も削除していないデータです。いまやAIは、そうした情報のすべてを活用できます。
これは一部の機関に限った話ではありません。回答者の89%がダークデータの実用化を優先課題と答えています。しかし、高等教育の予算超過を招いているのと同じインフラ上の摩擦が、いまや機関とそのAI目標の間に立ちはだかっています。その緊張を最もよく表しているのが、高等教育ではAIに投じる1ドルのうち67セントが、AIそのものではなく、AIにデータを供給し稼働させるために必要なデータと処理能力に費やされているという事実です。
投資の大半が現状維持のためだけに費やされているのなら、現時点でプラスのROIを生んでいるAIプロジェクトがわずか37%にとどまることも、業界の半数がデータストレージを導入における最大の課題と位置づけることも、不思議ではありません。料金の問題とダークデータの問題は、別々の課題ではありません。両者は同じ圧力点を突いているのです。
野心的でありながら、時間軸には正直
高等教育機関はAIに本気で取り組んでいます。教育分野の回答者の98%が来年度のAIインフラ予算を確保しており、99%が現在LLMを利用している、または利用を計画しています。
それでも、世界市場が今後12か月でAIのROIが19ポイント上昇すると見込んでいるのに対し、高等教育の見込みは10ポイントにとどまります。この差は、背景を踏まえると特に興味深いものです。高等教育のITリーダーは自分たちの環境をよく理解しています。互いに連携しない研究システム、どのデータをどこへ動かせるかというコンプライアンス上の制約、そしてAIパイプラインを想定せずに設計されたレガシーインフラ。彼らは、12か月での成果には懐疑的になるほど、頓挫した取り組みを数多く見てきました。
高等教育市場における控えめな見通しは、AIへの自信のなさから来るものではありません。それはおそらく、現状と、AIが実際に成果を出せる環境との間に、どれだけのインフラ整備が横たわっているかを正確に読み取った結果です。
高等教育は、世界平均よりも強い立ち位置から出発しています。教育分野のAIプロジェクトのうち現時点でプラスのROIを生んでいるのは37%で、世界全体の32%を上回ります。しかし、予算が年単位で設定され委員会で守られる分野では、37%という成功率は、他の分野よりも説得が難しいものです。大半のAIプロジェクトがまだ成果を上げていない中、それらに資金を投じる機関には、失敗の余地はあまりありません。
セキュリティへの自信が、脅威の実態に見合っていない
高等教育は長らく、サイバー脅威にとって魅力的な標的であり続けてきました。オープンなネットワーク、価値の高い研究データ、学生記録、そして守るべきデータの量に比べて歴史的に予算が不足しがちなセキュリティチーム ― こうした要因により、教育分野のデータは脆弱です。2025年版 Microsoft Digital Defense Report(英語) は、この分野がいかに危険にさらされているかを、確かな数字で示しています。
同レポートは、2025年上半期のサイバー脅威について、研究・学術分野を世界の全分野の中で第3位に位置づけました。これは政府機関とIT企業に次ぐ順位です。教育分野は、同期間にMicrosoftが観測したID侵害インシデント全体の39%を占めており、これは全体で32%急増したこの脅威タイプにおいて、不釣り合いに高い割合です。その理由の一部は構造的なものです。高等教育の環境は、分散したIT、絶え間ないユーザーの入れ替わり、そして一貫しない多要素認証(MFA)の適用を伴う、最大級かつ最も複雑なID基盤を抱えています。同じデータは、高等教育が全業界の中で攻撃者の平均滞留時間(dwell time)が最も長かったことを示しており、これは攻撃者がどこよりも長く検知されなかったことを意味します。
2026年版CSIのデータも同じ傾向を映し出しています。教育分野の回答者の44%が、パブリッククラウドのデータへのアクセスを失うサイバー攻撃をすでに経験しています。次の攻撃を受けてもデータを稼働状態のまま、改変されずに保てると完全に自信を持っているのはわずか47%です。そして41%が、自社のクラウドベンダーには攻撃を十分に防ぐ手段がないと考えています。機関は最終的には侵害を切り抜けるものの、そこに残る自信のギャップは深刻です。
明るいデータもあります。不変性(イミュータビリティ)の採用は、昨年から14ポイント上昇しました。現在、教育分野の回答者の約63%がオブジェクトロックを利用しています。この増加を後押ししているものが何であれ(侵害への対応、コンプライアンスの圧力、ベンダーとの対話)、教育分野は、一定の不変期間中はデータを編集・改変・削除できないようにすることで、正しい方向へ進んでいます。
結論
2026年版CSIのデータが描き出すのは、動き出してはいるものの、まだ足並みのそろっていない分野です。高等教育は、AIに実質的な予算を投じ、2年前よりもセキュリティを真剣に受け止め、ダークデータを後回しの対象ではなく資産として扱い始めています。基本的な部分は正しい方向へ進んでいます。
動いていないのは、それらすべての土台となるインフラ層です。すでに高等教育の予算を圧迫していた料金体系は、いまやAIのコスト圧力と重なり合っています。機関が実用化したいダークデータは、予算超過を引き起こしているのと同じ摩擦の向こう側に眠っています。セキュリティへの自信は、脅威の実態に追いついていません。これらは別々の問題ではありません。同じ問題が、異なる場所に現れているのです。
AIのROIギャップを最も速く埋める機関は、必ずしも最大の予算を持つところではありません。それは、インフラを単なる予算項目として扱うのをやめ、一つの意思決定として扱い始めた機関です。
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