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2023年度パブリック クラウド ストレージに関する調査のご紹介

2023 March 22By Andrew Smith

2022年後半、Wasabiグローバルテクノロジー調査会社であるVanson Bourneの協力のもと、クラウドストレージ市場でのトレンドや発展に関する調査を行いました。この調査は、IT分野における世界中の意思決定者1,000人(APACは日本100名、オーストラリア50名、シンガポール50名の計200名)を対象としており、Wasabiはそこから得られた結果を通して、各企業のクラウドストレージ戦略に対する向き合い方や課題を分析しました。

本ブログでは主な調査結果をご紹介していますが、パブリック クラウド ストレージに関する調査のサマリー Report」にはより詳しい情報が記載されていますのでご興味ある方はご覧ください(英語)。この調査は、世界の主要地域(北米、ヨーロッパ、中東、アフリカ、アジア太平洋地域)における10種類の業種を対象とし、組織の規模は中小企業から大企業までをカバーしています。また、回答者も、IT担当者、事業部門の管理者、経営幹部など多岐にわたります。そのため、今回共有する情報はあくまで全体の一部であり、データの切り口は多様にあることをご了承ください。

Wasabiは今後も、さまざまな分野にわたって行った今回の調査結果を、分析や考察とともに公表していく予定です。今回は、特に興味深い結果が得られた部分や、この調査を行うに至った目的についてご説明します。


パブリック クラウド ストレージに関する調査が重要な理由

独自で行う市場調査には、非常に大きな価値があります。例えば、ベンダーの立場では、調査を通して市場の動向や購買者の心理を把握し、その情報を反映した将来的な計画(製品開発、サービスやサポート、販売やマーケティングなど)を立てやすくなります。また、バイヤーの立場では、特定の地域や業界におけるテクノロジーやサービスのメリット、課題、戦略に関する外部からの見解を把握できます。これにより、同業他社の購入パターンや意思決定を理解することが可能になるのです。

Wasabiは今回、 ベンダーとバイヤー双方に役立つ洞察に満ちたデータを提供するとともに、クラウドストレージ市場のあまり知られていない分野にも焦点を当てて調査を作成しました。この中には、データ移行、セキュリティ、コンプライアンス、ストレージ予算、課金に関する課題も含まれています。現在、クラウドインフラ市場は数十億ドル規模の産業として確立されています。中でもストレージサービスは、収益の面で市場全体の約半分を占めていますが、常にスポットライトを浴びているわけではありません。この調査では、このギャップを埋めるべく、信頼性の高い独自の調査を行い、データに関する分析や抑えるべきポイントとともに、業界のトレンドに関する重要な情報を提供しています。


パブリック クラウド ストレージの主な調査結果

  1. 2023年、クラウドのストレージの容量とおよび投資費用が拡大:2023年にクラウドのストレージ容量が増加するという情報は、それほど大きな驚きではありません。しかし、それに加えて、2023年はパブリック クラウド ストレージの予算が増加するだろうと答えた回答者は84%に上ることが判明しました。この結果は、現在のマクロ経済にも重要な影響をおよぼします。多くの企業が、より多くのデータを保存するだけでなく、そのために更なる費用をかけることを検討しています。

  2. 従来のシステムよりも「クラウド」インフラを採用する組織の増加:IT サービス導入に対する組織のアプローチに関する調査では、回答者の41%が「クラウドファースト」であると答え、自社所有やオンプレミスのインフラが必要なアプローチよりもクラウドITサービスの採用を優先していることがわかりました。このアプローチは、クラウドストレージ市場にも具体的な影響を及ぼしています。回答者の39%は、自社のストレージのインストールベースがパブリッククラウドであると回答しており、この数値は今後12ヶ月の間に43%に増加すると予想されています。

  3. クラウドストレージ市場における、非効率的な予算編成と過剰な支出という課題:調査を通して、クラウドストレージにかかる総コストのうち、ストレージサービス料が平均で48%を占めているという残念な事実が明らかになりました。一般的に、こういった料金は全体でいくらかかるのかという見通しが立てにくい傾向があります。結果として、調査対象の企業の半数以上(52%)が、2022年に予定していたクラウド ストレージ サービスの予算を超過したと回答しています。回答者に、想定よりも予算が上回った理由を尋ねたところ、上位4つの理由のうち3つがサービス料に関連するものでした。

  4. クラウドストレージの移行を促進する要素であるパフォーマンス、レジリエンス、拡張性:回答者のほぼ90%が、過去1年以内にストレージをオンプレミスからパブリッククラウドに移行しています。なかでも興味深いのは、移行を決断した最大の理由がコストに関するものではなかったということです。その代わりに求められていたのは、インフラの耐障害性、耐久性、拡張性の向上でした。また、経営幹部レベルの回答だけを見ると、クラウドに移行する理由の第1位はパフォーマンスであることがわかりました。このデータは、私たちが過去数年にわたり追いかけてきた業界における動向の変化を裏付けるものです。つまり、クラウドストレージへの移行は、必ずしもコストに左右されるものではないということです。クラウドストレージへの移行は、必ずしもコストに左右されるものではありません。バイヤーは、目先のコスト削減に留まらず、さまざまな価値に目を向けています。また、クラウドサービスの価値や長期的なROIを評価する際に、パフォーマンスやセキュリティが重視されるようになっているのです。


日本:オンプレミスでの拡張には限界があるため、クラウドストレージへの移行率は高いが、費用や予算の超過が課題に

  1. クラウドストレージの利用料金は、「ストレージ容量にかかる費用」(49%)よりも、ストレージの運用や検索、転送、分析などの「データ運用料金」(51%)が高い比率となりました。これについては、シンガポールとオーストラリアではそれぞれ50%で、グローバル全体では、ストレージ容量の費用が51%、データ運用料金は48%、その他1%となっています。

  2. 56%が、「2022年にIT予算を超過した」と回答しました。その理由は、データおよびストレージの使用量が予想を上回ったことに加え、データ運用料(地域間レプリケーションなど)が予想を上回ったことに依ります。

  3. ストレージ容量をパブリッククラウドに移行する要因は、「オンプレミスで利用可能な範囲を超えたリソース拡張の必要性」との回答が43%で、最多となりました。

  4. クラウドへの移行についての課題は、「移行プロセスに伴う計画的、または非計画的なダウンタイム」との回答が40%で、トップでした。

調査方法

Vanson Bourneによる調査は、世界中のIT意思決定者1,000人を対象に実施されました。対象の企業は、世界中の主要地域、10以上の業種、中小企業から大企業まで幅広い企業規模にわたります。回答者は、自社でのクラウドストレージの購入に関与していることが条件とされました。調査では、クラウドストレージに関するさまざまなトピックが尋ねられ、社内で保存しているデータ量、各企業の予算と成長の見込みをはじめ、複数のクラウドプロバイダーを利用し、厳しいセキュリティ、コンプライアンス、規制要件に対応する際のメリットや課題についての回答を得ました。

お問い合わせ

japansales@wasabi.comまでお気軽にご連絡ください。

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