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クラウドIT購入の意思決定に影響を与えるサステナビリティ(持続可能性)

2023 April 19By Andrew Smith

ITバイヤーは、クラウドサービスプロバイダーが組織の持続可能性に関する目標や要件を満たせるかについてかつてないほど関心を寄せています。

環境責任と持続可能性への取り組みは、現代の企業、社会、ガバナンス(ESG)プログラムにとって重要な要素です。 企業の持続可能性とESGの方針が成熟するにつれ、データセンター・インフラから排出される温室効果ガスとその結果生じる気候変動への影響に関するクラウドサービスプロバイダへの監視の目が厳しくなっています。

このような現状に対し、Wasabiはクラウド ストレージ サービスのプロバイダーとして、重要な役割を担う立場にあると考えます。 そしてこの度、Wasabiのストレージが環境に与える影響をお客様やパートナーの皆様が 定量的に把握できるよう、 Wasabi’s Carbon Footprint Calculator(Wasabi カーボンフットプリント計算ツール)の提供を開始しました。これは、現在または推定されるWasabiのクラウドストレージのフットプリントを入力し、ストレージ領域を指定すると、カーボンフットプリントの年間予測がCO2eで表示されるという画期的なツールです。 Wasabiが提供する他のサービスと同様、このツールにはシンプルかつ強力な設計が施されています。さらに、ユーザーやパートナーのESGプログラムに適合する正確な指標も提供します。

なぜクラウド インフラ サービスのプロバイダーはサステナビリティを重視すべきなのか

クラウド インフラ サービスのプロバイダーが健全であるためには、効率的かつ持続可能なデータセンターの運営が不可欠です。 エネルギーコストの変動は運用に大きな影響を与えるため、プロバイダーは利用率やエネルギー消費量を非常に細かいレベルで追跡する必要があります。 こういった呼びかけやエネルギーの効率的な使用に対する認識は、MicrosoftのCFOであるAmy Wood氏が先日、コストの上昇によってデータセンターの運用に 8億ドル以上の追加エネルギーコストを支払う ことになったと表明したことで広く知られるようになりました。 この記事の焦点は、Microsoftの運営を批判することではありません。こういった例を知ることで、データセンターのエネルギーコストの変動がもたらす金銭的影響の大きさを把握することが重要なのです。そして最終的には、なぜ効率的なエネルギーの利用と持続可能性がクラウドインフラに必須なのかを理解する必要があります。

さらに重要なのは、サステナビリティとESGを推進することでクラウド サービス プロバイダーに与えられる影響が、単に金銭的なものだけではないということです。 実際、持続可能性は市場を 左右するものとも考えられます。 The Wasabi 2023 Cloud Storage Index(英語)では、クラウドストレージのベンダーを選定する際に、サステナビリティ対策が特に重要視されていることがわかりました。

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N = 1,000出典: Wasabi 2023 Global Cloud Storage Index

グラフでは、隣接するサービスの可用性、パフォーマンスと拡張性、価格・TCO(総保有コスト)よりもサステナビリティ対策が上位にランクインしています。この事実は、企業のESGポリシーがグローバルレベルでIT購入に影響を与えることを意味しています。そのため、クラウドサービス事業者はサステナビリティへの取り組みについて詳しく説明し、分かりやすい指標を示すことが重要です。

この結果をさらに分析すると、さらに興味深いことがわかりました。 回答者のうち、経営者レベルと クラウドストレージの新規導入者(1~2年前にクラウドストレージを購入したと回答した人)は、サステナビリティを1位としています。 世界の地域別にデータを分析すると、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)の回答者は持続可能性を2位に挙げています。 また、APAC(アジア太平洋)の回答者の場合、持続可能性は隣接するサービスの可用性と並んで第2位となりました。

It Takes a Village(何かを成し遂げるには様々な協力が必要である):クラウドインフラのサステナビリティがもたらす「好循環」

サステナビリティへの取り組みは、クラウド インフラ プロバイダーや市場大きな影響を与えるものです。 それと同時に、これに関する課題はITプロバイダーが単体でコントロールできるものではありません。現実的にクラウドインフラのサステナビリティを実現するためには、以下(ただし、これらに限定されない)複数の業者を合わせた協力的なプロセスが必要となります。

  • シリコン、ストレージ媒体のメーカー

  • データセンターのプロバイダー、ホスティング事業者

  • クラウドサービスのプロバイダー

  • テクノロジー、チャネルパートナー

これらの業者は、サステナビリティに関する目標やESGプログラムをそれぞれ独自で掲げています。 そして、それぞれの取り組みをサステナビリティの観点からまとめて管理する単一の運営組織は存在しません。 しばしば、場当たり的にコラボレーションやパートナーシップが発生している状態なのです。 Wasabiは、このような関係性から一歩進んだサービスを提供します。 Wasabiはコロケーションデータセンターでストレージシステムをホストしており、データセンタープロバイダー(高いエネルギー効率基準で運用、再生可能エネルギーを活用)と提携しているため、フットプリントを減らすことができます。 さらに、Wasabiのストレージ領域は、ソフトウェアから個々のハードウェアコンポーネント(ドライブ、ルーター、スイッチなど)に至るまで、非常に効率的になるように設計されています。 具体的に述べると、Wasabiでは専用機器ラックに最大限の密度を持たせることでエネルギー消費を抑制し、CO2eフットプリントの最小化、フットプリントに対するストレージ容量の比率向上を実現しています。 2022年現在、Wasabiは18TB HDDを使用しており、今後すべてのWasabiストレージリージョンで22TB HDDの利用を開始する予定です。 ドライブ容量が増えるとストレージ1TBあたりのCO2eが大幅に減少するため、カーボンフットプリントを考慮する場合、大容量ドライブの導入が重要なのです。結果として、TBあたりのワット数の観点から見ても、ドライブがより効率的に動作するようになります。 さらにもう一歩踏み込んだ例を挙げると、当社のストレージ メディア パートナーでは、ドライブの製造方法、希土類鉱物の調達方法、廃棄物やリサイクルの管理方法などを規定するなど、サステナブルな取り組みが行われています。

サステナビリティ(持続可能性)に関するWasabiの取り組みに関する詳細は、こちらをご覧ください。

ITインフラストラクチャの持続可能性を追求する第一歩目として不可欠な、測定可能で信頼性の高いメトリクス

ITにおける持続可能性は単純なものではありません。サービスプロバイダーの立場から鑑みると、全体的な二酸化炭素の排出量は複数のレベルにわたる複雑な要因によって引き起こされており、そこにはさまざまな利害関係者が関与しています。 では、こういった複雑さを管理し、クラウドインフラストラクチャの使用に関連する排出量を理解するために、企業は最初の一歩をどのように踏み出せば良いのでしょうか。

Wasabiは、サービスプロバイダーとして、二酸化炭素の排出量に関して信頼できる測定法を確立することが論理的かつ重要な最初のステップであると考えます。 組織で測定を行い、レートを定量化することで、二酸化炭素の排出量をより適切に管理、削減、または相殺し、その取り組みを企業のイニシアチブに組み込む戦略を練ることができます。 ITにおいて持続可能性を確保・管理するまでには、長期的かつ反復的なプロセスが求められます。 Wasabiは、こういったプロセスを改善するサポートに尽力しています。また、カーボンフットプリント計算機が企業の持続可能性とESGプログラムを支える貴重なツールになることを願っています。

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ビジネス2023年度パブリック クラウド ストレージに関する調査のご紹介

データ活用を加速させる「構造化データ」と「非構造化データ」とは?