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クラウドのROIに関してMSPが直面する5つの厳しい現実

2025 November 28Shannon Lynch

クラウドストレージは、あらゆる組織、特にマネージドサービスプロバイダー(MSP)がサポートするビジネスにとって基盤となる要素です。MSPとは、テクノロジー導入の最前線に立ち、常時接続のオンデマンド環境でクライアントと顧客のやり取りをサポートする役割を指します。

最新のCloud Storage Indexによると、過去5年間で72%の組織がクラウドオブジェクトストレージを使用しています。今ではクラウドを単に導入するだけでなく、それに伴う説明責任も求められるようになり、より難解な課題に対応しなければなりません。また、昨今のデータ利用に合わせて構築されていないプラットフォームではクラウドストレージの請求額が予想を上回る傾向にあり、投資利益率(ROI)を検証する必要が生じています。

私たちはこの状況に対応するトップクラスのMSPの現状を知るべく、Vanson Bourne社との提携により、大規模かつ複雑な環境を管理するMSPのシニアリーダーたちにインタビューを行いました。そこで得られた情報は驚くほど率直で、一貫性があり、時に困難な課題も伴うものでした。

信頼性が高く、コスト効率に優れたクラウドストレージをサービスに組み込む際、MSPが直面する5つの厳しい現実を分析してみましょう。

1. データ量は急増しており、その勢いは未だ衰えず

データの増加は減速していません。2024年、クラウドに保存されているデータ量は3.6ゼタバイトにのぼります。IDCは、2028年までにその量は3倍になると予測しています。

AIの導入、コンプライアンス、ハイブリッドワークなど、データ増加の原因は多岐にわたります。それが何であれ、大量のデータ生成への早急な対応が求められていることに変わりはありません。

インタビューを受けたMSPは、前年比15~20%のストレージ増加を行っていることがわかりました。リモートでの連携、セキュリティログ、AIモデルのトレーニングなどにビッグデータを使用する目的で、ストレージの需要が高まっています。

2. 多くのMSPが依然として単一のエコシステムに留まっている

多くのMSPは、単一のベンダーに依存しないアプローチを採用し、業界・インフラ・デジタル成熟度が異なるクライアントに幅広く対応しながら増大するデータ需要に対処しています。

一方、各ベンダーのプラットフォームはそれぞれ目的が異なります。たとえば、AzureはMicrosoftベースのスタックを多用する企業に適しています。GCPはAI対応のワークロードと分析に秀でています。AWSは多くの場合、汎用ワークロードを強化します。ワークロードのパフォーマンス、コンプライアンス、コスト効率を両立させるには、こういったサービスを適切に組み合わせる必要があります。

しかし現実には、MSPのストレージワークロードの70~75%はまだAWS上で実行されています。

その理由は、AWSからの移行に高額なコストがかかるためです。

データの移動、ワークロードの再調整、ベンダーの完全な切り替えを行う場合は「退出税」として下り転送料を支払う必要があります。もし、ビジネスにより適した別のプラットフォームを見つけたとしても、コストが高額になるため、クラウド移行が困難になる可能性があります。

3. データアクセスおよびデータ利用の増加による予算オーバー

2024年、MSPの80%がクラウドストレージ料金が予算オーバーになったと回答しています。また、この予算の半分は容量ではなく手数料に充てられたことが判明しました。

データは日常的な操作で頻繁にアクセスされるため、コストが急速に増加します。

  • 85%の回答者が少なくとも月に1回バックアップデータを復元

  • 83%の回答者が少なくとも月に1回アーカイブデータにアクセス

バックアップを復元、災害復旧計画のテスト実行、クライアントのアーカイブデータ取得などを行う場合、そのたびにAPI料金、下り転送料、階層移行コストが発生します。そのため、アーキテクチャを変更しない限り、クライアントのニーズに応じるためにより多くの料金を支払うことになります。

4. コストを優先することでデータが無防備な状態に

Cloud Storage Indexでは毎年、セキュリティの重要性を強調していますが、組織の現状は異なるようです。

実際に、ランサムウェア、誤削除、内部脅威に対する最も重要な安全対策の一つである不変性(オブジェクトロック)を実際に取り入れているMSPは半数以下でした。この理由は、オブジェクトロックなどのコア保護を有効にするとストレージコストが高くなるためと思われます。

オブジェクトロック関連のコスト

  • オブジェクトロックを設定するためのPUTリクエスト

  • 保持設定を確認するためのGET/HEADリクエスト

  • ライフサイクルポリシーが変更または拡張された場合のPOST/DELETEリクエスト

プレミアム機能を追加しないと最低限のセキュリティを得られない状態では、ベストプラクティスやコンプライアンスに対応できず、データの脆弱性が増すことになります。

5. 顧客が求めるのはクラウドの複雑さではなく成果

昨今、ビジネス戦略の議論ではクラウドの複雑さがしばしば話題にあがっていますが、これは良い傾向とは言えません。AI導入などの革新的なソリューションに関する戦略的な会話をすべき場で、多くのMSPが課金に関する質疑応答やバックアップコストへの対処に追われています。

API呼び出し料金、データ取得料金、階層化についての問題は繰り返し発生するため、取締役会レベルでクリアにするのが難しい傾向にあります。また、顧客である利害関係者は、自分のデータにアクセスするのになぜそれほどの費用がかかるのか理解していないことが多く、不満につながります。

つまり、クラウド移行によって老朽化するインフラ問題を解決するはずが、実際には新たな問題が生み出されているのです。データの使用アクセスにコストがかかることで、日常業務が分断され、成果の特定が困難になっています。

頼りになるはずのストレージプラットフォームが収益を圧迫する結果に

ROIやストレージ戦略を再考する必要に迫られているのはあなただけではありません。

より優れたツールをわかりやすい価格設定で利用できなければ、クライアントの期待と現在のスタックが提供できるものとのギャップは広がるばかりです。こういったギャップは、契約更新の話し合い、予算会議、ROIを求められるプレッシャーなどを通じて明らかになります。

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