ITV Studios Netherlands 、パフォーマンスを下げることなくストレージコストの削減に成功

2024 September 26By Carson Barcome

ITV Studios Netherlands は世界中に13拠点を構え、バラエティに富んだ映像やエンタメコンテンツを生み出す、オランダ最大級のコンテンツ事業者です。あらゆるジャンルを網羅し、また多くのプラットフォームに向けた魅力的で有益なコンテンツを制作するだけでなく、制作した番組の配信、放映も行っています。また、国内大手の放送局への販売も行い、近年加入者に向けた様々なストリーミングコンテンツの制作、配信を担うITVXというストリーミングサービスも開始しました。

課題:高まるストレージ需要への対応

コンテンツ事業者として、ITV Studios Netherlandsは何層もの階層を有した膨大な容量のストレージを必要としていました。長年にわたって、元映像や編集過程で生じる様々な段階での番組データを、非常に重い企業データの保存先としても使用されているオンプレミスのクラスターファイル上に保存していました。そのクラスタファイルはテラバイト単位の膨大なデータを保存することが可能でしたが、時間が経つにつれ、容量が問題になってきました。古い番組や映像のみならず、新しい映像も保存し続けていたからです。その間、解像度は上がり4Kに到達していました。また、ファイルクラスタの容量が一定であるにも関わらず、ストレージ容量の需要は強まる一方でした。

 インフラストラクチャとネットワークのチームリード、Jordy de Muijnk氏によると、会社のデータを保存していたオンプレミスのファイルクラスタは、まるで「高額な駐車スペース」のようになっており、その状況を打破するために、他のソリューションを検討していかなければならくなりました。

De Muijnk氏は、過去数年間クラウドストレージについて検討してきましたが、下りと上りの転送料金が懸念材料となり、検討が進まずにいました。ITVは大容量の高品質で高性能なストレージが必要でしたが、AWSなどのプロバイダーを検討したところ高額で予算内に収まりませんでした。

De Muijnk氏とチームメンバーはWasabiのパートナー企業であるReal Solutionsと他のクラウドストレージの検討を重ねていく中で、Wasabiが目にとまりました。高性能なクラウドストレージを追加料金なしで提供している簡潔なサービスに非常に興味を持ったのです。それは非常にシンプルで、わかりやすいテラバイト単位の料金でした。

ソリューション:Wasabi Cloud NAS を導入しアクセスの質と効率性を向上

ITVはWasabi Hot Cloud Storageを試し始めてすぐにWasabi Cloud NASのパフォーマンスとコンテンツへの迅速なアクセスが、編集者が必要としているレベルを間違いなく満たせるだろうと確信しました。「Wasabi Cloud NASは、私たちが探して続けていた最適なツールでした。既存のローカルストレージと近い感覚で完璧な拡張性を持っています」と、de Muijnk氏は語ります。

Wasabi Cloud NASのサービス内容で特に好評な機能が、リクレームスペースポリシー機能です。データ毎にどれくらいアクセスされているかを監視し、使われていないデータをWasabiに移動してくれます。これによってローカルデバイスのデータ容量を常に最適に保ことが可能となりました。Wasabi Cloud NASを使う編集者たちにとって、その操作性はシンプルで直感的です。編集過程の裏側でユーザーに意識されることなくスムーズに動作し、ユーザーは導入前後で変化を感じることなく、通常通り業務を進めることができます。

「Wasabi Cloud NASは、私たちが探し続けていた最適なツールでした。既存のローカルストレージと近い感覚で完璧な拡張性を持っています」

— ITV Studios Netherlands、インフラクチャアンドネットワーク、チームリード Jordy de Muijnk氏

Wasabi Cloud NASを活用すると、映像編集者は何テラバイトもの元映像から、あるクリップを探し出す作業を一瞬で行えるようになります。分単位で勝負する放送業界で戦うには強力なメリットです。「Amazon S3 GlacierやLTOテープからデータを取り出すには12時間から24時間も時間がかかります。私たちにはそこまでの時間的な余裕はありません」とde Muijnk氏は言います。

結果:必要に応じて拡張可能なクラウド

Wasabiの容量予約制ストレージを使うことで、チームに必要なだけのストレージ容量を付与することが可能になりました。とDe Muijnk氏は話します。Wasabiの導入前は、ストレージの空き容量を各チームに割り当てられていました。ストレージを使い果たしたらそれ以上使うことはできませんでした。Wasabiを導入したいま、チームのメンバーは「無制限で、最適な速度と高い可用性を備えたストレージ」という感覚で利用できています。

オンプレミスアクセスとパフォーマンス

De Muijnk氏は、オンプレミスのようなWasabiの使い心地と容易なアクセスに満足しており、このように語ります。「ヨーロッパのどこからでも、ストレージのハードウェアをデスクの傍に設置したようなスピードとスループットで利用できます。もう社員がインポートや取り込み作業を待つ必要がありませんし、いつでも容易にアクセスが可能な状態にあります」。

シンプル、シームレスな実装とセットアップ

ITVのWasabi Cloud NASの実装について、「私はもう11年もこの仕事に従事していますが、これまで何の問題もなく導入が完了したことはなく、Wasabiが初めての経験でした」とde Muijnk氏は語ります。「セットアップはわかりやすく、導入後は想定通りに正しく動作し夢のようでした」と加えて説明します。

明瞭かつ予測可能な価格

De Muijnk氏は、月々のクラウド料金を予測しその金額を確保する作業から解放されたことに安堵しています。「ようやく、メディアやエンタメなどに適用可能で、良心的な価格、かつ高性能なクラウドストレージに出会えることができました」。

Wasabiは、「シンプルに掛け算で計算できます。必要な容量をテラバイト単位で申し込み、一桁の数字で掛け算するだけで計算完了です。誰も理解できない複雑な計算やその日にどのくらい課金されたのかもわからないような状況にはなりません」とDe Muijnk氏は語ります。また、トラフィックの上り、下り、その他の料金が発生しないWasabiのシンプルな料金設定により、De Muijnk氏は年間を通したクラウドストレージ費用を明確に把握できるようになりました。そのことについて、「予算にかかわる労力が格段に減りました」とも述べています。

今後の展望

Wasabiのクラウドストレージ導入の成功体験をもとに次のステップとして、de Muijnk氏は会社の最終的なゴールについて以下のように述べました。「オンプレミスストレージソリューションを完全に廃止し、Wasabiへの切り替えを行います」。Wasabi Cloud NASを活用したオンプレミスのFTPシステムの運用を可能にしたことで、WasabiがITVの持続可能性目標の達成にも貢献しているとして、高く評価しています。

De Muijnk氏はまた、AI搭載インテリジェントメディアストレージシステムである Wasabi AiRの導入も視野にいれています。映像編集者は度々、新しい番組の特集クリップのために、大昔の古い映像を探し出すタスクが発生します。「3分間の1クリップを探すのに12シーズンものコンテンツを見返さなくてはならないのです」とde Muijnk氏は説明します。しかし、Wasabi AiRを使えば数100時間もの映像の中から特定のアーティストのすべての歌を、システムを活用して検索することができます。「目的のクリップを探し当てるために、すべてのアーカイブを1週間かけて視聴することなく、数秒でコンテンツを探し出せるでしょう。Wasabi AiRが日々の業務を劇的に変えてくれることに期待しています」。

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