ジェネラル
デジタル・アーカイブ
2024年11月、幕張メッセで開催された国内最大の音楽・映像系イベントに行ってきました。プロフェッショナル向け映像制作ソリューション、業務用の大型カメラなどの展示が並ぶ中、ロケ弁の試食などもあり、普段はあまり見かけないものが多く、その場にいるだけでワクワクするイベントでした!
Wasabiも今年は多くの販売店様や協業メーカー様のブースに展示していただきました。会場内でWasabiのロゴを目にされた方も多いと思います。来場された多くの方からも「もうWasabiを使っている」「Wasabiを購入予定である」といったありがたいコメントを聞くことができ、皆さまのニーズに合った満足頂けるサービスを提供できていることが実感できた3日間でした。
さてWasabiはストレージサービスですので当然データ保管に関する話題が多かったわけですが、来場された皆さまがWasabiに特に期待する用途として「アーカイブ」の割合が非常に多かった気がします。
いったん話しが変わりますが、皆さんは、日々の生活で撮る写真やビデオなどをどのように保管されていますか?10年以上前であればUSBストレージやDVDなど、PCデバイスに記録することが多かったと思いますが、今やクラウドが当たり前な時代ですよね。スマホからいつでも欲しいデータにアクセスできたり、友人知人とデータ共有が楽チンだったり、経年劣化に伴うメディアの引越しが不要だったり。。。 これらは、オンプレからクラウドにシフトする最も合理的な理由だと思います。今さらUSBストレージの運用にも戻れない、まさに「不可逆的」という言葉が当てはまるトランスフォメーションだと思います。
本題に戻りますが、我々個人とはケタ違いに大量の映像データをお持ちのプロフェッショナルの方々は過去から紡いできた膨大なアーカイブデータ(バックアップを含む)を、どのようなストレージに保存されているのか色々聞いてみました。
世の中ってこんなに色んなストレージの選択肢があるんだな、、、と思うくらい沢山の答えが返ってきましたが、大きく分けると以下の4つが代表的なものでした。それらを運用されているお客様のコメントも併せて書いてみたので参考にしてみてください。
1.LTO等のテープ媒体
テープを利用しているというのが最も多かった回答で、私がインタビューした中で1/3以上を占めていました。テープメディアは利用しないときにはしまっておけば電力を喰うこともなく、HDDとは違い障害率もあまり気にしなくてよく、またテープメディアだけで見ればGB単価が安いというメリットもあるため、人気の高い選択肢のようです。
一方でテープ環境を卒業し、次のストレージを検討したいという方々の理由を聞いてみると:
ペタバイトを超えてしまうとリプレイスが大変。例えばテープドライブの保証が切れたため、LTO7からLTO9にデータをすべてダビング移行せねばならないが、数か月に及ぶ移行作業に対応できるリソースも無い。かといって先延ばしにしてしまうと、データ移行が不能になるリスクもある(LTOは通常、2世代保証まで。規格が3世代変わるとデータが読みだせなくなる)
過去のデータがすぐにアクセスできない。芸能人の訃報などがあった場合、迅速に20年前のデータを閲覧する必要があるが、全てのデータがオフライン状態のためメディアを引っ張り出してきて探さなければならない。テープは誰かが作業中には他の人が利用できないシングルタスクのストレージのため、非常に効率が悪い。
2.Blu-rayや XDCAMなどのオプティカル媒体
LTOテープとは違い、手のひらサイズでカメラに直接搭載できるためモバイルストレージのようにも利用でき、映像データの利用が終了したメディアをそのまま倉庫にアーカイブ保管できる利点もあるため、オプティカルストレージも人気でした。またBlu-ray技術を利用した大型のアーカイブ用ストレージなども利用者は多いようです。
一方でメディアの世代交代とでもいうものでしょうか、例えば映画鑑賞と言えばVHS・DVDをレンタルする、という行為からオンライン化されていったように、栄華を極めたオプティカルも時代の移り変わりの影響を受ける産業だと感じました。こうした媒体を利用されているユーザの声は以下のようなものでした。
LTO規格よりもはるかに長い後方互換、かつメディアとして100年以上の寿命という期待値があったため採用したものの、機材がEOLになってしまった。メディアだけ100年持っても機材がなければ無意味なので早く別のストレージに移行したい。
LTOから利便性の高いオプティカルに変えた。今さらLTO環境には戻れない。
3.小型NAS
データ量が最大でも数百TBほどのクリエイター系の業界では採用例が多いようです。数千万円を超えるような大型NASの持つ高い冗長性や性能まで必要としない場合には、非常に便利なストレージです。全てのデータはオンラインのためデータ検索が容易ですし、また複数の作業者が同時に作業できるマルチタスク性も評価されていました。導入費用もそこまで大きくないため気軽なストレージとして人気ですが、、、
障害発生率は大型機と比べると高め。CPU周りもそこまで性能が高いわけではないため、HDDのリビルドなどのリカバー行為に時間がかかったり、リカバー中の性能ダウンが著しい場合がある。冗長レベルが高くないため数週間に及ぶリカバー行為中にもう1本のディスクに障害が起こるのではないか、、、非常に心配。
安価なのはいいが搭載できるストレージ容量が小さい分、データがいっぱいになる度に台数が増えていく。台数が増えるほど障害率も上がるし、保守切れの度に機材買い替えると、データ移行などがだんだん忙しくなっていく。
4.ハイパースケーラー(クラウド)
インフラ整備に潤沢な予算を投じることができる一部のユーザーは、クラウドの利用も多いと感じました。「データセンターで電気を喰う鉄とプラスチックでできた大きなハコ」とおさらばできるのは確かにメリットがありますよね。
ストレージ容量は必要に応じ際限なく無尽蔵に増やせますし、バージョンアップや障害対応の必要性、または保守切れや技術革新に伴うリプレイスなども不要、更に場所を問わずデータの保存や共有までできてしまう、まさに「革命的」な選択肢ではないでしょうか。
そんな夢のようなストレージですが、私がインタビューさせて頂いた多くのお客様のうち、なぜ「一部のユーザー」程度しか利用されていないのでしょうか?
使ってみたが想定以上に高かったのでオンプレに戻した。コストが計算不能。毎月の請求額が大きく異なるので、「低額で安定したコスト」で利用したいアーカイブストレージに利用するのはちょっと困難。
アクセスの度に課金される。たった一つのコンテンツ検索のために膨大なデータを検索すると、検索したデータ全てが課金対象に。欲しいデータはたった一つなのに、、、
利用料金が高いので利用を断念し他のストレージに移行しようとしたら、ダウンロードも課金対象だった。数百TBのダウンロードだったのでだいぶ請求された。
冒頭で述べた通り、個人のデータについてはクラウドシフトがうまく行っているのにも関わらず、プロフェッショナル用途では特にコスト面での課題が多く、クラウドシフトに時間がかかっているようですね。
「オンプレ環境から次の安心できる環境に移行したい」そんなお客様にWasabiは非常に適した選択肢であることを再確認できました。Wasabiなら、API 利用料金も下り転送料金もかからず、すぐにアクセスできるHOTストレージを安価にご利用いただけます。ぜひこのクラウドストレージの利便性をコストの心配なく味わって頂ければ!!Wasabiは皆さまに納得頂ける不可逆的な環境を提案致します。