ジェネラル

オンラインストレージとクラウドストレージの違いとは?ビジネスに最適な選択を解説

2024 October 24By Mayuko Yoshitome

ビジネスにおいて「データ」は非常に重要です。そして、そのデータを安全かつ効率的に保管・管理するために欠かせないのがストレージサービスです。特にインターネット経由でアクセスできるオンラインストレージとクラウドストレージは、多くの企業にとって重要な選択肢となっています。

しかし両者は似て非なるサービスであり、それぞれの特徴やメリット・デメリットを正しく理解することが欠かせません。

この記事ではオンラインストレージとクラウドストレージの違いを分かりやすく解説し、ビジネスシーンにおける最適な選択をサポートします。


オンラインストレージとクラウドストレージの基本的な違い

オンラインストレージとクラウドストレージは、どちらもインターネットを介してデータの保存・管理を行うサービスですが、提供される機能や対象ユーザーが異なります。ビジネスでどちらのサービスを利用するかは、扱うデータの規模や種類、セキュリティ要件、そして予算などを考慮して慎重に判断する必要があるでしょう。

オンラインストレージ

インターネット上のサーバーにデータを保存し、ウェブブラウザやアプリを通じてアクセスできるサービスです。

主に個人ユーザーを対象としたサービスが多く、シンプルなファイルのアップロード・ダウンロード機能が中心になります。そのためオフライン時にはデータにアクセスできないことが一般的です。

クラウドストレージ

オンラインストレージよりも高度な機能を備えたサービスであり、企業やビジネスユーザーをターゲットにしています。

データは複数のデータセンターに分散して保存されることが多く、高い信頼性と可用性が強みです。また、自動バックアップ、データの冗長化、スケーラビリティ(必要に応じた容量の増減)など、企業ニーズに対応した機能が充実しています。さらに、複数ユーザーでの同時利用、データ同期、データ暗号化など、利便性やセキュリティ面も強化されています。

オンラインストレージの特徴

オンラインストレージは、インターネットに接続できる環境であれば、いつでもどこでもデータにアクセスできる手軽さが魅力です。個人利用からビジネスシーンまで、幅広く活用されています。

代表的なサービス

代表的なオンラインストレージサービスとしては、Google DriveやDropbox、OneDriveなどが挙げられます。

いずれも、ファイルをアップロードして保存するだけでなく、フォルダの共有やファイルの同期、リアルタイムでの共同編集など、便利な機能を備えているのが特徴です。これらの機能を活用することで、チーム内での情報共有や共同作業がスムーズに行えます。

オンラインストレージが適しているケース

オンラインストレージは、比較的小規模なチームや個人での利用に適しています。導入コストが低い、あるいは無料で利用できるサービスも多い点が魅力です。

また、直感的に操作できるシンプルなインターフェースも特徴で、専門知識がなくても容易に利用できます。そのため、ITリテラシーに関わらず、幅広いユーザーに受け入れられています。


クラウドストレージの特徴

クラウドストレージは、高い信頼性と堅牢なセキュリティを誇り、大容量データの保管や高度なデータ管理が必要となるビジネスシーンで力を発揮します。

代表的なサービス

Wasabiは、低価格ながらも高い信頼性とパフォーマンスを提供するクラウドストレージサービスです。

データは複数のデータセンターに冗長化して保存されるため、万が一の障害発生時にもデータの消失を防ぎます。また、必要な容量に合わせてストレージを柔軟に拡張できるスケーラビリティも大きな魅力です。

すべてのデータは暗号化して保存され、アクセス制御や監査ログなど企業が必要とするセキュリティ機能も充実しています。

クラウドストレージが適しているケース

クラウドストレージは、特に大規模なデータを取り扱う企業や、高い可用性とセキュリティが求められるビジネスに適しています。

たとえば、医療機関における電子カルテの保管、金融機関における顧客情報管理、ECサイトにおける商品画像の保存など、データの消失が許されないビジネスにおいて真価を発揮します。

また従量課金制が一般的で、利用した分だけのコストで済む点も魅力です。必要に応じて柔軟に容量を増減できるため、コストパフォーマンスに優れています。


ビジネスにおける選び方のポイント

オンラインストレージとクラウドストレージ、どちらを選ぶべきかは、それぞれのビジネスニーズによって異なります。ここでは、サービス選定における重要なポイントを紹介します。

使用するデータの規模と種類

扱うデータの規模や種類によって、最適なサービスは異なります。たとえば、日常的にやり取りする資料や、容量が比較的小さいファイルであればオンラインストレージで十分に対応できるでしょう。

 一方で、大容量の画像データや動画データを扱う場合、あるいはシステムバックアップなど膨大なデータの保管が必要な場合は、拡張性とコストパフォーマンスに優れたクラウドストレージが適しています。

セキュリティとコンプライアンスの重要性

企業にとって、顧客情報や機密情報など、取り扱うデータの保護は最重要課題です。特に近年はGDPRなどの個人情報保護法が強化されており、適切なセキュリティ対策を講じなければ企業の信頼を失墜させかねません。

クラウドストレージは、データの暗号化、アクセス制御、多要素認証など、強固なセキュリティ機能を提供している点が大きな強みです。またサービスによっては、国際的なセキュリティ基準規格に準拠していることを証明する認証を取得している場合もあり、より安心して利用できます。

まとめ

オンラインストレージとクラウドストレージは、それぞれ特徴や機能が異なるものの、どちらもビジネスにおいて重要な役割を担うデータ保管サービスです。

オンラインストレージは、手軽に導入でき、小規模なチームや個人での利用に適しています。一方、クラウドストレージは、大容量データの保管や高度なセキュリティ対策が必要な場合に最適です。

ビジネスの規模や扱うデータの種類、必要なセキュリティレベル、そして予算などを考慮し、自社のニーズに最適なサービスを選択してください。


sla-slo
ジェネラルSLAとSLOの違いを理解し、自社のビジネスに適切な運用体制を構築する

Backup as a service (BaaS) を利用すべき7つの理由