ジェネラル
クラウドストレージの落とし穴?エグレス料金が発生するケースとその理由とは
クラウドストレージの落とし穴?エグレス料金が発生するケースとその理由とは
「費用の安さ」でクラウドストレージを選ぶ企業にとって、思わぬ落とし穴となりかねないのが、クラウドベンダーが課す「エグレス料金」です。そもそもエグレス料金とは、いつ、どのような理由で発生するものでしょうか?本記事ではクラウドストレージを利用するすべての企業が理解しておくべきエグレス料金のポイントを解説します。
クラウドストレージの料金は安い?
企業がオンプレミスからクラウドに移行する場合、その主な動機が「コスト削減」にあるケースは少なくありません。たしかに自社でサーバ管理を行う必要のないクラウドストレージは、導入コスト(初期コスト)も運用コストもそれほどかからないように見えます。
しかし実際のところ、クラウドストレージの料金設定は複雑です。クラウドベンダーによって料金が異なるのはもちろん、ユーザーの利用方法によっても料金は変わってきます。つまりクラウドストレージの料金は、オンプレミスの料金よりも「安いとは限らない」ということです。
実際、企業によってはクラウドストレージの利用料金が意図せず高額となり、「クラウド破産」と呼ばれる状態に陥ってしまうケースも少なくありません。
クラウド破産の原因はさまざまですが、最近特に注目を集めているのが「エグレス料金」です。
クラウドストレージの高騰を招くエグレス料金
エグレス料金とは、ひとことでいうと「クラウドストレージからデータを取り出す料金、ダウンロード・下り転送料金」のこと。
クラウドストレージの利用にはデータを入れる(ingress:イングレス)行為と取り出す(egress:エグレス)行為を伴いますが、多くのクラウドベンダーはイングレスを無料とする一方で、エグレス/下り転送を従量課金の対象にしています。
もしAWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどの3大クラウドや、その他多くの一般的なクラウドベンダーを利用する際にエグレス料金のことを考えていないなら、あっという間にクラウド破産に陥る可能性があるでしょう。
なおエグレス料金とその課題については、TechTarget社の『脱クラウドを招く「エグレス料金」とは? クラウド“なぜか高い”の原因』もお読みください。
エグレス料金が発生するケース
エグレス料金はデータをエグレスする(取り出す)際に発生します。典型的なのがデータの分析やサービス構築のためにデータをダウンロードする(書き出す)ケースも、一般的にエグレス料金の対象です。
または、他のクラウドストレージに乗り換えるためにデータを移動するケースです。
ただしエグレス料金が発生するのは、なにもサービス乗り換えの場合だけではありません。同じクラウドベンダーのサービス間でも、リージョンの異なるデータセンターにデータを移動させるとエグレス料金を課金されることがあります。
上記のようなケースは、企業にとって決して珍しい使い方ではありません。このため「思わぬケースでエグレス料金が発生している」のが現状といえるでしょう。
エグレス料金に含まれるもの
エグレス料金は他社のクラウドストレージに乗り換える際に発生することが多いため、もしかすると「乗り換えを阻止するための懲罰的な仕組み」であると考える人がいるかもしれません。
しかしそのような理解は不正確です。クラウドベンダーは自社のサービスクォリティを維持するために、膨大なコストを支払っています。特にクライアントがデータを出し入れする際はネットワークインフラを利用するため、その維持と運用はクラウドベンダーにとって特に重要な業務のひとつです。
つまりエグレス料金には、クラウドストレージからデータを移動させるうえで必要な、あらゆるコストが含まれています。決してクライアントを引き留めるための、単なる「ダウンロード料金」ではないという点に留意しておきましょう(その証拠に同一サービス内のデータ移動でもエグレス料金が発生することがあります)。
ちなみにエグレス料金の具体的な価格は、クラウドベンダーによってさまざまです。参考までにAWSの場合、米国リージョンからデータを移動させる料金は最初の100GBまでが無料、続く10テラバイトまでが1GBあたり0.09ドル、そして10テラバイトを超えると段階的に下がっていきます。(2023年現在)
ぜひ自社がクラウドストレージに預けているデータ量に基づいて、シミュレーションしてみてください。
クラウドストレージの料金を抑えるには
クラウドストレージの料金を抑え、クラウド破産を避けるテクニックもいろいろです。ここではエグレス料金を抑えるためのポイントに絞って説明しましょう。
まず基本的な対策としては、監視ツールなどを使って自社のデータ移動量を常に把握しておくことです。あらかじめ設定したデータ量を超過した場合にアラートされるようにすれば、いつのまにかクラウド破産に陥っていたという事態を避けられますし、
そもそもエグレス料金が発生しないクラウドサービスを利用するのが確実でしょう。
たとえばWasabi Hot Cloud Storageの料金設定は、ストレージの使用分を月額で支払うプランと、1年・3年・5年単位の予約容量制ストレージを事前購入するプランの2種類で、エグレス料金/データの下り転送料金などの複雑な追加費用は必要ありません。
まとめ
クラウドストレージを利用する際は、エグレス料金をはじめとする見えないまたは予測が難しいコストへ注意する必要がありますです。コスト削減のつもりが、いつのまにか追加費用でクラウド破産していた…ということがないよう、利用するクラウドサービスはしっかりと選ぶようにしましょう。
クラウドストレージ
料金
the bucket
「費用の安さ」でクラウドストレージを選ぶ企業にとって、思わぬ落とし穴となりかねないのが、クラウドベンダーが課す「エグレス料金」です。そもそもエグレス料金とは、いつ、どのような理由で発生するものでしょうか?本記事ではクラウドストレージを利用するすべての企業が理解しておくべきエグレス料金のポイントを解説します。
クラウドストレージの料金は安い?
企業がオンプレミスからクラウドに移行する場合、その主な動機が「コスト削減」にあるケースは少なくありません。たしかに自社でサーバ管理を行う必要のないクラウドストレージは、導入コスト(初期コスト)も運用コストもそれほどかからないように見えます。
しかし実際のところ、クラウドストレージの料金設定は複雑です。クラウドベンダーによって料金が異なるのはもちろん、ユーザーの利用方法によっても料金は変わってきます。つまりクラウドストレージの料金は、オンプレミスの料金よりも「安いとは限らない」ということです。
実際、企業によってはクラウドストレージの利用料金が意図せず高額となり、「クラウド破産」と呼ばれる状態に陥ってしまうケースも少なくありません。
クラウド破産の原因はさまざまですが、最近特に注目を集めているのが「エグレス料金」です。
クラウドストレージの高騰を招くエグレス料金
エグレス料金とは、ひとことでいうと「クラウドストレージからデータを取り出す料金、ダウンロード・下り転送料金」のこと。
クラウドストレージの利用にはデータを入れる(ingress:イングレス)行為と取り出す(egress:エグレス)行為を伴いますが、多くのクラウドベンダーはイングレスを無料とする一方で、エグレス/下り転送を従量課金の対象にしています。
もしAWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどの3大クラウドや、その他多くの一般的なクラウドベンダーを利用する際にエグレス料金のことを考えていないなら、あっという間にクラウド破産に陥る可能性があるでしょう。
なおエグレス料金とその課題については、TechTarget社の『脱クラウドを招く「エグレス料金」とは? クラウド“なぜか高い”の原因』もお読みください。
エグレス料金が発生するケース
エグレス料金はデータをエグレスする(取り出す)際に発生します。典型的なのがデータの分析やサービス構築のためにデータをダウンロードする(書き出す)ケースも、一般的にエグレス料金の対象です。
または、他のクラウドストレージに乗り換えるためにデータを移動するケースです。
ただしエグレス料金が発生するのは、なにもサービス乗り換えの場合だけではありません。同じクラウドベンダーのサービス間でも、リージョンの異なるデータセンターにデータを移動させるとエグレス料金を課金されることがあります。
上記のようなケースは、企業にとって決して珍しい使い方ではありません。このため「思わぬケースでエグレス料金が発生している」のが現状といえるでしょう。
エグレス料金に含まれるもの
エグレス料金は他社のクラウドストレージに乗り換える際に発生することが多いため、もしかすると「乗り換えを阻止するための懲罰的な仕組み」であると考える人がいるかもしれません。
しかしそのような理解は不正確です。クラウドベンダーは自社のサービスクォリティを維持するために、膨大なコストを支払っています。特にクライアントがデータを出し入れする際はネットワークインフラを利用するため、その維持と運用はクラウドベンダーにとって特に重要な業務のひとつです。
つまりエグレス料金には、クラウドストレージからデータを移動させるうえで必要な、あらゆるコストが含まれています。決してクライアントを引き留めるための、単なる「ダウンロード料金」ではないという点に留意しておきましょう(その証拠に同一サービス内のデータ移動でもエグレス料金が発生することがあります)。
ちなみにエグレス料金の具体的な価格は、クラウドベンダーによってさまざまです。参考までにAWSの場合、米国リージョンからデータを移動させる料金は最初の100GBまでが無料、続く10テラバイトまでが1GBあたり0.09ドル、そして10テラバイトを超えると段階的に下がっていきます。(2023年現在)
ぜひ自社がクラウドストレージに預けているデータ量に基づいて、シミュレーションしてみてください。
クラウドストレージの料金を抑えるには
クラウドストレージの料金を抑え、クラウド破産を避けるテクニックもいろいろです。ここではエグレス料金を抑えるためのポイントに絞って説明しましょう。
まず基本的な対策としては、監視ツールなどを使って自社のデータ移動量を常に把握しておくことです。あらかじめ設定したデータ量を超過した場合にアラートされるようにすれば、いつのまにかクラウド破産に陥っていたという事態を避けられますし、
そもそもエグレス料金が発生しないクラウドサービスを利用するのが確実でしょう。
たとえばWasabi Hot Cloud Storageの料金設定は、ストレージの使用分を月額で支払うプランと、1年・3年・5年単位の予約容量制ストレージを事前購入するプランの2種類で、エグレス料金/データの下り転送料金などの複雑な追加費用は必要ありません。
まとめ
クラウドストレージを利用する際は、エグレス料金をはじめとする見えないまたは予測が難しいコストへ注意する必要がありますです。コスト削減のつもりが、いつのまにか追加費用でクラウド破産していた…ということがないよう、利用するクラウドサービスはしっかりと選ぶようにしましょう。
featured articles
WASABI MEDIA & ENTERTAINMENT
April 10, 2024
Introducing Wasabi AiR: Unleash the Power of AI wit...
Introducing Wasabi AiR: Unleash the Power of AI wi...
TECH PARTNERS HEALTHCARE
April 18, 2024
Protect Your Research Data with Cost-friendly, Powe...
Protect Your Research Data with Cost-friendly, Pow...
TECH PARTNERS
April 11, 2024
Addressing AI Infrastructure Challenges with Wasabi...
Addressing AI Infrastructure Challenges with Wasab...
VIDEO SURVEILLANCE
April 9, 2024
Why More Organizations Are Choosing Cloud Storage f...
Why More Organizations Are Choosing Cloud Storage ...
TECH PARTNERS
April 10, 2024