the bucket

Tapeに依存するシステムは正解なのか?

Tapeに依存するシステムは正解なのか?

Yasuhiro Ozawa
By Yasuhiro Ozawa
パートナー営業部長

2024年2月27日

過去10年のみを振り返ってもデータの増加量は指数関数的に伸びており止まることを知りません。
一方で10年前に比べるとストレージ媒体の選択肢は多様化し、目的やコストに応じてユーザの用途に合った最適なものを選択できるようになりました。
その中でもバックアップやアーカイブなどアクセス頻度の低いデータの保存先はLTOに代表されるテープ媒体をご利用の方もまだまだ多いと思いますが、その選択肢は御社にとってはたして正解なのか? 昨今の時代背景と比べ再度検証してみましょう

TCOが安い?

テープソリューションのメリットの一つとしてよく耳にするのが低いTCO。 果たして本当でしょうか?
LTOテープドライブが1本、メディアが1,000本、などといった極端な構成であればGB単価は下がるのでしょう。 ですがバックアップやリストアのジョブが同時間帯に発生する場合や、より高速な書き込みを必要とする大容量データ環境の場合では複数のLTOドライブを必要としますし、それに伴い上位モデルのLTOライブラリ装置にかかる費用や管理のためのバックアップソフトの料金も当然上がってしまいます。

データの信頼性や永続性は?

 長期でデータを保存する場合はテープが向いていると言われていますが以下のポイントで検証してみましょう。

メディアのデータチェック: 通電された状態のHDD/SSD等は定期的にエラーチェックが行われ、破損データは自動的に発見され修復プログラムにより修正が行われます。
一方でオフライン状態のテープメディアは次回にReadが行われるまで破損状態を検知できず、かつECC修正不能なレベルでブロックエラーが発生すると当然データも復旧不能な状態になってしまいます。 テープメディア、温度・湿度などきちんと管理されたクリーンルームで保管されていますか? エラー発生率はこうした環境にも左右されやすいです。 私はお客様先で段ボールに詰め込まれた、ホコリまみれだったりカビが生えたメディアと何度も対面したことがあります。
テープ環境でより高い信頼性を得るためには2本以上のメディアにデータを記録し、そのうちの1本を遠隔地に保管するといった運用となることが多いようですが、この時代に人手を介す運用はセキュリティ対策や緊急時のデータ復旧の懸念が残りますし、上記のメディア管理の課題を解決するものでもなく、何よりテープのメリットを打ち消すほどの運用コストが圧し掛かってきます。

テクノロジーの世代更新: ことストレージ業界では、SCSIからFCへ、iSCSIやクラウドに、時代躍進のために過去互換を犠牲にして進化していきました。 テープ業界も等しく世代更新が行われ、企画は同じであるものの過去世代の互換がないマッチングも存在します(図1)。 LTO業界では世代更新は約3年おきに実施されるようです。
テープメディアは30年の寿命に耐えるという記事を目にしたことがありますが、テープドライブが無いことには意味がありません。 精密機器であるテープドライブ、しかも新品・動作保証付きの製品が発売日から10年後に入手できる見込みも無く、つまるところ5年から10年くらいがテープ環境リプレイスの期間となるのではないでしょうか?


図1: LTOテープドライブとテープメディアの対応表と発売年

世代更新の際のデータ移行: 昨今のデータ氾濫時代、ペタバイトを超えるデータをテープで運用されているユーザも増えています。 LTOの世代更新の際には一体どれくらいの時間と労力、新規設備への投資(ハードウェア環境のみでなくラックやUPSなどのデータセンター設備)がかかるのでしょうか? 半年~1年以上のデータ移行実施期間(すなわち5年運用するとしたら、うち20%が移行プロジェクト!)、そしてベンダーに依頼しても1千万円を超える作業費用が掛かるでしょう。
移行が正常に完了してもまた数年後には次の世代交代のためのリプレイス検討の開始です。

これらのことからテープソリューションの場合、メディアそのものは安価であるものの決してTCOが安くなるソリューションとは断言できないですね。


テープソリューションに対し、Wasabiクラウドストレージを利用すると…

Wasabiのクラウド設備は常に健全な状態で維持されており、メディアエラーやハードウェア障害が発生した場合は専門のスタッフにより迅速に修復されます。 Wasabiご利用のお客様は従来の課題であった障害対応に関する課題から解放されます。 土日祝日や長期休暇、オペレーション担当者が不在であっても、安心してご利用頂けます。

Wasabiはクラウドストレージサービスであり、ご利用のお客様はハードウェアの更新の心配はありません。 例えば5年契約時にサービス期間の満了を迎える前に契約更新を行うだけでプロセスは完了です。次の5年間をデータ移行無しでご利用頂けます。 何カ月もの移行期間や技術的タスク(リスク)、膨大な移行費用から解放されるだけでも大きなコスト削減につながるのではないでしょうか。

Wasabiはバックアップやアーカイブにだけに特化したサービスではありません。 ファイルサーバのソリューションや監視カメラ等のIoT、エンタープライズストレージと連携したデータ保護ソリューションなど、テープソリューションでは実現できない様々な用途に利用できるハイパフォーマンスのストレージ領域を提供しています。



既存のテープ環境を見直してみたい場合、ぜひWasabiにご相談ください。
ご希望される【ストレージ容量】と【ご利用期間】、この2つのみでどれくらいTCOが削減できるかすぐに算出可能です。

the bucket
Yasuhiro Ozawa
By Yasuhiro Ozawa
パートナー営業部長